第7日目 平山翁の下ネタ

ぎっくり腰入院記(7)  俺はなあ、故郷は鹿児島よ。  鹿児島いうところは男尊女卑がすごい。風呂に入るのは男が先で女があと。子供に対してもそうよ。男の子の枕元は母親でも通らない。必ず足元の方を回るんだ。洗濯だって、男物と女物は一緒に洗わんのだぞ。  そんなんで、俺はカミさんをクニからもらったんだ。なにも、威張っていたいからじゃ…
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第6日目 小林さんの愚痴

ぎっくり腰入院記(6)  平山さんがえらいことになった。  昨日、いつもの五千歩の散歩から帰って点滴が終わると、 「目が曇り、ものが二重、三重に見える。気持ちが悪い」 などと言い出したのだ。  本人は看護婦を呼んで「急性だから、救急車を呼んで眼科に運んでくれ」と訴えているらしいが、看護婦は目の病気と思ったらしく「眼…
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第5日目 平山翁の特別講義

ぎっくり腰入院記(5)  ああ、毎朝6時に打たれる注射か。  ありゃあ、糖尿病のインシュリンや。  俺のは程度が悪いんで、1日に1回、注射で補ってやらなくてはならない。いまのところ、ここでは1本18単位で打っていて、昨日は右足、今日は左腕、明日は左のお尻、という具合に打っていくんだ。痛くはないよ。自分で打つ奴もいる。  糖尿…
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第4日目 江藤さんの見舞い客論

ぎっくり腰入院記(4) 「ああ、そこの里見さんですか。さっき、松葉杖ついて出て行きましたよ。きっと、1階の喫茶室でコーヒーでも飲んでますよ。ええ、もう元気で、飛び回っておられますよ」  ここの502号室は、いいさね。元気な人ばっかりで。  看護婦の詰め所からいちばん遠いでしょうが。  だから、手間の掛からない、軽い人間が…
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第3日目 矢野氏の懺悔

ぎっくり腰入院記(3)  えっ、 「今日はどうしたんや?」 ですって。そうでしょう、朝から静かでしょう。ちょっとねえ、昨日の晩からまた腰の方が痛いんですよ。ちょっと良くなったんで、調子に乗って動き過ぎたんですかねえ。歩き回ってるときには、なんともなかったんですが・・・・・・。  面会に来たカミさんには内緒にしていたんですけど…
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第2日目 矢野氏の白状

ぎっくり腰入院記(2)  『やった』のはね、入院する一週間前の火曜日なんですよ。  会社でね、机に向かってハンコを押していたんですよ。昼過ぎだったかなあ、部品の納入伝票が何十枚と回ってきたんですよ。愚痴を言うわけではないですけどねえ、何で私がこの伝票に印を押さなくちゃあいけないんですかねえ。こんなものは受取責任者だけでいいんじゃ…
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第1日目 平山翁の入院尋問

ぎっくり腰入院記(1)  なんだね、矢野さん。あんたは何で、ご入院なんだ。  ほう、「椎間板ヘルニア」か。  じゃあ俺も、ご同病みたいなもんだ。痛いんだよなあ、これが・・・・・・。やってみたことの無い他人にはわからんね。起きてればもちろんだが、座ってても、寝てても痛いよ。どんな風に寝てても痛いんだ。仰向けだって、うつ伏せだって…
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郭公の棲む家

 「唐松高原別荘分譲地」と書かれた立て看板のある角を右に折れると、道は途端に細くなった。アスファルト舗装をしてあるといっても、乗用車が辛うじてすれ違えるだけの幅だ。ただ、後ろに続く車はないし、向こうからやってくる車もない。曲がりくねって徐々にきつくなる山道を、夫の運転する新車はものともせずに登っていく。  五月の雨の上がったばかりの空…
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